― 神経系と栄養のつながり、今からできる実践対策 ―
はじめに:集中力の低下は「気のせい」ではありません
「机に向かっていられるのは5分が限界」
「人の話を最後まで聞けず、すぐに他のことに気が逸れてしまう」
「授業中にぼーっとしていることが多い」
こうした子どもの様子に悩んでいる保護者は少なくありません。集中力の持続には性格や生活習慣なども関係しますが、**見落とされがちなのが“栄養状態”**です。
特に、神経系の発達に関わる栄養素が不足していると、脳が本来の働きを発揮できず、集中力が続かなくなることがあります。
神経系の発達と「集中力」の関係
集中力は、脳内で情報がスムーズに伝達されることで保たれます。この情報のやり取りを担っているのが神経細胞(ニューロン)であり、その働きを支えるのが栄養素です。
神経系に必要な栄養が不足すると、次のような影響が現れることがあります:
- シナプスでの信号伝達がスムーズに行われなくなる
- 感情のコントロールが不安定になる
- 「やる気ホルモン(ドーパミン)」の分泌が低下する
こうした状態は、本人の意志や努力だけではどうにもできない“脳のコンディション”の問題と言えます。
集中力を支える「重要な栄養素」
ここでは、特に子どもの集中力や思考力に関わる栄養素をご紹介します。
鉄(Fe)
- 主な働き: 脳に酸素を運ぶ赤血球の材料であり、ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質の合成にも不可欠です。
- 不足すると: 注意力の低下、倦怠感、イライラなどが起こりやすくなります。思春期には鉄の必要量が一段と増えるため、特に注意が必要です。
「思春期の子どもは、成人よりも多くの鉄分を必要とすることが知られています。」
ビタミンB群(B1、B6、B12、葉酸)
- 主な働き: 糖質の代謝を助け、脳や神経へのエネルギー供給をサポートします。
- 不足すると: 例えばビタミンB1が不足すると、糖質がうまくエネルギーに変換されず、集中力の低下や疲労感につながることがあります。
「ビタミンB1は、食事で摂った糖質をエネルギーに変える重要な役割を担っています。不足すると、集中力の維持が難しくなる場合があります。」
DHA(ドコサヘキサエン酸)
- 主な働き: 神経細胞の膜を構成し、情報伝達をスムーズにする役割があります。
- 不足すると: DHAやEPAが不足すると、不安感が強まったり、集中力が続かず落ち着きがなくなる傾向が見られるという研究結果もあります。
「DHAやEPAには、神経の働きを守る役割もあり、不足すると集中力の低下や情緒不安定を引き起こすことがあります。」
亜鉛
- 主な働き: シナプスの形成・維持に関与し、記憶力や集中力に関わっています。
-
不足すると: 学習意欲の低下や、味覚障害が見られることがあります。
隠れ栄養不足のサインとチェックリスト
栄養不足は、明確な症状が出ないまま進行することもあり、「隠れ栄養不足」として見逃されることが少なくありません。以下の項目に複数当てはまる場合、栄養状態の見直しが必要かもしれません。
チェックリスト:
- 朝食が菓子パンやジュースなどで済ませがち
- 野菜や魚を食べる回数が週2回未満
- 加工食品やスナック菓子をよく食べる
- 食が細く、1回の食事量が少ない
- 集中力が続かず、落ち着きがない様子が見られる
家庭でできる栄養サポートの実践例
子どもの集中力を育てるために、家庭で簡単に取り入れられる工夫を3つご紹介します。
1. 朝食で“鉄”を意識する
例:おにぎりにツナや納豆、卵焼きを添える。ビタミンCを含む果物も一緒に摂ると、鉄の吸収率がアップします。
2. DHAを意識して取り入れる
例:サバやイワシなどの青魚を週に2回程度取り入れる。魚が苦手な場合は、ハンバーグやカレーに混ぜて使うなど工夫しましょう。
3. サプリメントや栄養パウダーを活用する
例:日々の食事だけでは必要な栄養素を十分に摂れない場合、料理に混ぜられる無味無臭の栄養パウダーを取り入れるのも一つの方法です。
なぜ「Ayo®」が「重要な栄養素(隠れ栄養)」の摂取に適しているのか?
Ayo®は、特許出願中の技術で開発された無味無臭の栄養パウダーです。先進国の子供にとって特に発達重要で不足しがちな栄養素(11種類の必須栄養素と4種ビタミン)を選定し、補えるよう栄養配合設計を行いました。普段の食事や飲み物に“自然に”加えることができます。
Ayo®の特長:
- ✅ 無味無臭:子どもが嫌がらず、味や香りの変化を感じにくい
- ✅ 使いやすさ: ご飯、味噌汁、ヨーグルト、スープなど、幅広い料理に混ぜられる
- ✅ 栄養の網羅性: 発達や健康に必須な栄養素をバランスよく含有
- ✅ 高い安全性: 国内のGMP認証工場で製造、安全性にもこだわった品質設計
- ✅ DHA入りモデルあり(Ayo+DHA): 魚が苦手な子どもにもおすすめ
忙しい毎日でも、「気づかないうちに栄養が整えられる」——それが、Ayo®が現代の子育てに提供する“栄養インフラ”です。
おわりに:集中力を「育てる」という視点へ
集中力は、生まれつきの才能ではなく、環境や栄養、睡眠、運動といった生活の土台から育まれる力です。特に子どもの脳は日々成長しており、その発達を支えるのは、日々の小さな選択の積み重ねです。
食事の見直しは、大げさなことではありません。
今日の朝ごはんにひと工夫を加えること——それが、未来の集中力を育てる第一歩になるかもしれません。
参考文献・情報出典
- 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』
- 日本人の栄養・食生活データベース nutas.jp
- Cusick SE, Georgieff MK. The Role of Nutrition in Brain Development: The Golden Opportunity of the "First 1000 Days". J Pediatr. 2016;175:16-21.
- Gómez-Pinilla F. Brain foods: the effects of nutrients on brain function. Nat Rev Neurosci. 2008;9(7):568-578.
執筆者:佐藤 英明(合同会社ニュートリベース 代表/脳科学・栄養研究者)
横浜市立大学大学院 医学研究科修了後、味の素株式会社にて基礎研究に従事。脳と栄養の関係に関する研究を専門とし、量子科学技術研究開発機構・放射線医学総合研究所(2017~2019年)では客員研究員として脳機能イメージングの共同研究を実施。科学的根拠に基づく栄養支援を目指し、Ayoの開発・監修を行う。現在は合同会社ニュートリベース代表として活動中。味の素株式会社 政策秘書、フェニクシー・インキュベーションプログラム第6期生としても活躍。
研究・発表実績
- 論文掲載:Science Advances, Frontiers in Nutrition ほか多数
- 学会発表:2019年 米国栄養学会(Baltimore)口頭発表 ほか
- 登録特許:5件
·